さてさて、このところ週末更新で連載してきました、『月と炎の伝説』第二幕が完結しました。(サイト内では更新履歴には載せていませんでしたが、ちゃんと更新しています)
というわけで何か書きます。以下、じゃっかんネタバレ注意ですよー。
幕末あとがき
第二幕はほぼ聖女と従士の――もっと言えば、イゼットのお話でした。イゼットが何者か、第一幕後半の時点でわかる人にはわかっていたと思いますが、まあそういうわけでした(雑
今回は何かと主人公に厳しい展開の連続でした。そのぶん、クルク族の二人やデミルなど、アウトローな人々に頑張ってもらいました。彼らのような奴らでないと、ぶち壊せない壁もあるということで。
特に今の聖教は、伝統と保守に固執して凝り固まっているところがありましたから、一度大きく風穴を開けるくらいしないと、あの状況下でイゼットを助けることは厳しかった。その場の勢い的な決断であったとはいえ、ルーのしたことは彼を救うという観点から見れば正しかったのです。
悪党書くの楽しかったし。
そして『壁』の中には、イゼットの心も含まれていたのだと思います。
彼は表面上ほわほわしていますが、その本質はまじめないい人です。そして、まじめすぎて損するタイプなのです。まじめなのは美徳でもあるけれど、それが過ぎると自分を見失って心を壊してしまう。彼は幼い頃からそういうもろさを抱えていて、今回の件で己のもろさを本当の意味で自覚できたのではないでしょうか。
これからは少しずつ、自分を大切にできるよう頑張っていくのでしょう。たまに、ルーに説教されながら(笑)
そしてもう一つ。イゼットが終盤に自覚した『あれ』。『夜明けに捧ぐ鎮魂歌』を一通り読んでいただいた方はぴんと来ると同時に、「いやあなたなんでそんなところにいらっしゃるんですか」となったことでしょう。
このへんは、明確な答え合わせがあるかはわかりませんが、本編中の謎を大方回収した後に、また解説を書かせていただきます。
実は『あれ』の自覚はもう少し先の予定でした。が、今回思いのほかイゼットが無茶をしてくれやがりましたので、そこだけ展開が早回しになりました。さあどうする。
(なんかこの感じ『永遠の青』の彼を思い出します。彼は年齢と経験がイゼットどころの騒ぎではないので、なんだかんだ泰然としていましたが、イゼットはそうはいきません……)
さて。今回の更新分で、すったもんだの末になんとか聖都を脱しました。ここから先は一度ルーの修行場巡りに戻ります。終わるまでひたすら付き合う。ということはつまり、アンダとのアレコレもあるわけで、作者が修羅場に嵌まるさまがすでに見えますね。
温かく見守ってやってください。
今後の予定
急に現実的な予定の話です。これから少しの間、お休みをいただきまして、その間にプロットの整理をします。
第三幕の開始は、明言はできませんが、年が明けてからになるかと思います。
修行場巡りと月輪の石にまつわる調査の二本立ての予定なので、かなりのボリュームになりそうです。
いよいよ物語の根幹に触れていきます。引き続きよろしくお願いします。