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世界

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国と地域

エトワール王国

西の海に浮かぶ小さな島国。人口は約千八〇〇万人。メルトキア大陸という巨大大陸と海峡を隔てた位置に存在する。やや縦に長く、南北で若干気候に差が出てくる。通貨単位は「オール」。

気候は一年を通して比較的寒冷。主産業は農業、漁業、魔道具生産などである。また、元来の自然の多さを生かして観光業も始まってきていたが、最近の暴走政治の影響で数年前からは停滞気味。

王家が政治を取り仕切る専制君主制であったが、二十年ほど前に貴族が蜂起し、王族が握っていた権限のほとんどを掌握してしまう。数年ほどは問題なく機能していたが、やがてその貴族たちが暴走。今では王家は完全に貴族の傀儡となり、圧政が続いている。一度は廃止された奴隷制度も水面下で復活した。

優秀な魔術師を数多く輩出する魔術大国であり、魔術師ギルドの数も強さも世界屈指。そこを利用して、多くの魔術師ギルドや傭兵ギルドなどを「王国直轄ギルド」として王侯貴族が抱え込んでいる。

コスモス

エトワール王国の首都にして、最大の都市。五大貴族のうち、マティアス、エアハートがこの街の近郊あるいは都内に家を構えている。

店や娯楽施設も数多く、この街でたいていの物は揃うとも言われている。ただし、一部の路地は貧民窟。そこでは裏取引や奴隷売買も行われている。その区画を除けば治安は良い方で、観光客の大半はとりあえずコスモスを訪れる。

あまりにも広いためいくつかの「特別区」が存在し、その区画は五大貴族のいずれかが領地として管理・運営をしている。

エルフォード

エトワール南東部にある、魔術師ギルド『インドラ』のもとで栄える大都市。『インドラ』の存在があるため治安は王都よりも良く、盗みを働こうものなら近くの魔術師か戦士にしょっ引かれるというある意味とんでもない街である。

レス

西部にある田舎町。自然が多い一方で道や宿が整備されているため、隠れ人気スポットとなっている。奇妙な事件が立て続けに起こった時期があったが、『インドラ』の魔術師が訪れてからというもの、すっかりそれはなくなった。真実を知らない地元民は首をかしげている。野良猫が多い。

シアンス

クラインの故郷。エトワール西部に位置する。人口は百人弱。実は多くの有名人が輩出されている。毎年夏に行われる『星祭』は村の名物。

ボールシティ

番外編に登場。ルークの生まれ故郷。名前の通りエトワールの最西端に位置しており、ここでの魔術に関する事件は『インドラ』の管轄である。荒くれ者の話が珍しくないほど荒れている。が、実はその大半が義賊。

西の集落

番外編に登場。西部の海沿いにある森の奥にひっそりとたたずむ、とある民族の集落。数年前までは海賊被害に悩まされていたが、ルーク・アレン・シエルの三人が討伐したことにより、現在は平和を取り戻している。ここの住人は、故あって大陸から追い出された一族の末裔たちらしい。

ラディスティア

王国東部の都市。マティアス家の屋敷がある。
紅い屋根の街並みが南北に伸びる、美しい街。市街地の外側には畑があり、農家の人々がブドウや野菜を栽培している。

カルディス帝国

メルトキア大陸南部に位置する大帝国。アレンの故郷。エトワール王国とは貿易関係であるとともに何やら怪しい関係であり、三年前まではエトワールに『実験台』を提供していた。そのおかげで年に二、三人は消えていたというが、皇帝が代替わりしたおかげか、今はそのようなことは行われていない。

都市部は非常に栄えており、特に首都は、人、もの、かねが行き来する一大交易都市となっている。ただ貧富の差が非常に激しいため、エトワールの王都以上に裏通りの荒廃ぶりが目立っている。また地方や農村では年々税の取り立てが厳しくなっており、反乱を起こす村なども現れ始めている。こう言った地域では、口減らしのために子供が間引かれることが日常茶飯事である。

国としては強大だが魔術研究や魔術という概念そのものが未発達。特に地方では、魔術師は不気味なものとして扱われる。

魔術について

術式

「魔力」を「魔術」に変換するためのもの。文字に起こすと非常に複雑な数式のようなものになる。魔術を使うには術式を組まねばならないが、複雑な数式をいちいち組み立てていくわけにもいかないため、魔術師たちはそれぞれ独自の術式構築方法を持っている。逆にこれができないうちは、いくら魔力があっても魔術は使えない。

原文

魔術師たちが最初に組み立てる術式。術式の中ではもっとも簡単。いくつかの種類がある。

魔術師になるまで

魔力制御

基礎の基礎。魔術師になるならないにかかわらず、必ず行う。

体内に流れる魔力が暴走しないよう、制御するための訓練。ギルドが訓練をサポートしてくれることも多い。

原文による術の体得

原文を読んで覚える。その後、原文に沿って魔力を流し、一番簡単な魔術を作る。ここで魔力を術にする手順と感覚をつかむ。

術式構築方法の確立

原文の術を繰り返し使ううち、何かしらのイメージをつかむ。このイメージをもとに、自分なりの術式構築方法を見つけていく。本来、一番手間と時間がかかる過程。

魔術師たちの原文イメージと術式構築方法

  • ルーク:火が点く、水が凍るなどの自然現象。それらの過程を詳細かつ科学的になぞる。
  • ソフィア:聖歌。術式を歌に置き換える。口に出すとより効果が上がる。
  • アレン:術式。複雑怪奇な式そのものを短い時間で組み立てる。もっとも難しいがもっとも威力の高い魔術を使える。
  • ガラム:地層の変化、風化、侵食、体積。層を重ねていくように術式を組み立てる。
  • アグネス:星。天体の動きを読むのと同じ要領で術式を組む。
  • ミケル:ぱちぱちという音。デコピンの動作や指パッチンなど指の動きを組み合わせて術式を組む。
  • イーニッド:風。単純な術式を流れるように組み合わせる。
  • カリオス:刃。術式を剣術の動作になぞらえる。
  • マイク:数式。術式を比較的簡便な数式に変換して扱う。
  • ユイ:体の動き。自らの動作に直接魔力を乗せる。体術特化。

  • レオンハルト:リズム。指で叩く、拍手などで単純な術式を組み、それを合体させる。

アルテア魔術

アルテア魔術は、上記で説明した術式構築の過程がいっさい必要ない。厳密にいうと、文字や動作がなくても術式構築ができてしまう。イメージしたものがそのまま魔術に反映されるため、より詳細な想像が必要になる。 複雑な形質変換などはできないが、純粋な威力は現在一般化している魔術より高い。

(おまけ)

術式は世界の魔力の源と直接リンクしているため、アルテアは受け取る情報量が一般の魔術師より多くなる。そのため膨大なイメージを受け取ってしまい、身心に異常をきたすことがある。

つまりアルテアは文字化された術式(原文含む)を見てはいけない。